悪霊島 / 古谷一行 名探偵・金田一耕助シリーズ#27 Akuryo-to | Island of the Evil Spirits
1999年 日本ドラマ 2ツ星 #金田一耕助犯人が犯人らしくない
古谷一行の金田一耕助シリーズ27作目。テレビドラマだから、シャム双生児といった刺激的要素はカット。あわせて犯行の動機や背景も改変されてしまった。美人双子も、巴御寮人の狂気もない。推理らしい推理も、ドラマらしいドラマもない。見どころのない映像化だった。まぁ、鹿賀丈史版(1981)も同じくらい足りなかったけど。
古谷一行も55歳になり、逆立ちしたり、駆け回ることはなくなった。どっしり構え、会話だけで捜査するのは、カッコイイけど手抜きに見える。また真犯人の自決を捨て置いたことは、酷薄に見える。齢を重ね、他人の人生に干渉しなくなったのか。そのくせ拓郎に父親っぽい声をかけるのはあざとい。
最大の問題は、巴御寮人がまともすぎること。必殺仕事人のような手際で殺人を重ねているが、そんな技術も腕力もないだろう。周到に準備したトラップじゃないから、相応の説得力がないと不自然だ。
まぁ、これはこういうものなのだろう。こういうものと知って見れば、見たいものが十分に見られたと思う。
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