チキン・リトル Chicken Little
2005年 外国映画 3ツ星 主人公は動物 地球外生命 家族そうなる前に信じられたら
もともと「チキン・リトル」はイギリスの寓話で、悲観論者をさす慣用句らしい。そこから「エイリアンの侵略にいち早く気づいたけど信じてもらえない少年の話」にふくらませたセンスはすごい。父親が、母親不在のため自分の方針に自信を持てないところがまたいい。おもしろい状況設定だ。
しかし前半の印象はよろしくない。先生によるイジメ、駄目な生徒たちの寄り合い所帯、父親にも期待されない虚弱児。マイナス要素が盛りだくさんで気分が滅入った。ブレイクスルーになったのは野球の逆転サヨナラランニングだが、あの状況でバットを振るなんてありえない。父親も野球選手なら、結果だけ見て喜ぶべきじゃないだろう。
結局、父親は町がエイリアンに襲撃されるまで、息子の話を信じなかった。証拠や確率にたよるなら、父親はまだ父親になれていないことになる。このあたり、もうちょい描いてもいいんじゃないかな。
でもまぁ、おもしろかった。3Dモデリングもフェルト製の人形のようで新鮮だ。宇宙人の目的も意表を突いている。いきなりアビーとキスしたり、三つ目のミッキマウスの腕時計や、素っ頓狂なハリウッド映画かも笑えた。後半の痛快さで、映画全体の評価が高まったね。