レビュー  1989年03月21日  に発表された 

ウルトラマンをつくった男たち 星の林に月の舟
Ultraman o Tsukutta Otoko-tachi Hoshi no Hayashi ni Tsuki no Fune -

3ツ星

心にコンパスをもった男たち

子どものころに見た第35話「怪獣墓場」の読経シーンや、第34話「空の贈り物」のスプーンのインパクトは絶大だった。何年経っても思い出せるし、友だちとも話題になる。劇中の大人たちはわかっていないが、私が保証する。実相寺監督の演出は子どもの心に響いていた。

とはいえ周囲の戸惑いの理解できる。こうして実相寺監督をモチーフにしたドラマが制作されるのは、ウルトラマンが成功したから。当時の状況で、あの演出を許容する方がおかしいのだ。
なにが正解かわからない。やり直しも、失敗を許されない。そんな状況で、「明日はこっちだ」と現場を引っ張るには、並々ならぬ精神力がいる。まるで心にコンパスをもっているようだ。演出センスが優れているだけじゃ監督にはなれないね。

円谷英二(西村晃)がかっこいい。夏なのに雪を降らせた奇抜な演出に、「吹雪にすればよかった」と評価する度量。デザインは若い者に任せてノータッチだが、操演ならすぐ席を立つ。しびれるねぇ。いささか神格化されているけど、実相寺監督の視点ではこう見えたのだろう。
中盤では怪獣アクター(毒蝮三太夫)がしんみりさせる。気むずかしい成田亨(黒部進)もうまい。ほかの役者さんもそれぞれ素晴らしかった。

ただ、南果歩との恋愛模様はわからない。実相寺監督が原作を書き、監督して、自分の妻も娘も出演してるのに、実在する女性との恋愛を描いたのはなぜか? やっぱり実相寺監督はわけがわからない。


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