マルサの女 Marusa no Onna
1987年 日本映画 4ツ星 刑事・警察ネチネチした追求が、たまらなく痛快!
悪党が法律で武装して、やりにくくなった80年代。対抗して警察が強くなっても面白味はないが、もともと嫌われ者でもある税務署がクローズアップされると、俄然、おもしろくなる。
敵(脱税者)の敵(税務署)は味方と言ったところか。
キャラを記号化し、構成をシンプルにしたことで、よけいなことに惑わされず、ストレートに楽しめる。そのくせ追う方も追われる方も人間的で、味わいがある。独特のテーマ曲とあいまって、強烈な印象を残す。伊丹十三のセンスは飛び抜けている。
1作目は、キャラクターの紹介編のような雰囲気。このまま連続テレビドラマになっていたら、傑作シリーズになっていただろうな。