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[レビュー2005年12月30日に発表された 

電車男

Train Man

現代版『みにくいアヒルの子』

『電車男』は恋愛ドラマであると同時に、オタクが自分の殻を打ち破る物語である。しかしそれはオタクの否定ではないはず。この映画だと、オタク(みにくいアヒルの子)が一般人(白鳥)の仲間入りするだけに見える。オタクはそんなに駄目な存在なのか。そこには、上にいる者が下の者を引き上げてやろうとする歪んだ慈愛が見え隠れする。
演出をみてもそうだ。電車男はオタク記号の集合体でリアリティがない。彼女を捜すため、夜の町を走り回るなんて、ドラマティックと言うよりファンタスティックだよ。テレビドラマもそうだが、制作者はオタクと馬鹿を混同しているのではないか?

でもまぁ、思っていた以上に楽しめた。ネット住人たちのドラマ(生活の変化)を描いたのはいいね。電車男に影響し、電車男から影響を受けている。彼らの存在が、物語に奥行きを与えている。最後までみると、エルメスは電車男のどこに惚れたのか、電車男は相手にしてもらえるなら誰でもよかったのではないか、といった疑問が頭をよぎるが、まぁ、気にしても意味はないだろう。電車男は、そーゆーことにこだわらない世界へ行ってしまったのだから。


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