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[レビュー1962年07月14日に発表された 

昼下がりの決斗

RIDE THE HIGH COUNTRY / GUNS IN THE AFTERNOON

年老いた男たちの矜持

あらすじ

元保安官のスティーヴ、その旧友ギル、若い相棒ヘックの3人は、銀行に金塊を届ける仕事を引き受ける。道中で立ち寄った家で、世間知らずの若い娘・エルザが鉱山の男と駆け落ちし、陵辱されそうだったため救い出す。結果、荒くれどもと抗争の火種を作ってしまう。若いヘックはエルザに欲情し、ギルは金塊を盗もうとしていた。

前半はかなり退屈。エルザを救い出したところから物語が動き出す。エルザは軽率だが、自業自得と斬り捨てるのはあわれ。もしスティーヴが通りかからなかったらと思うと、気持ちが暗くなる。この映画で描かれる鉱夫はゴブリンのように野蛮だが、史実でもそうだったのかな?

ヘックは劣情を抑えきれずエルザを襲うが、スティーヴに叱られてからは別人のように精悍になり、おだやかにエルザを愛する。スティーヴの背中がヘックを変えたようだ。スティーヴの立ち位置は父親そのものだ。
しかしギルの存在が水を差す。過去の経緯はわからないが、スティーヴにも若いころがあって、今ほど人格者ではなかったようだ。むしろ人格者としてふるまい、人格者として死にたいと思っていたフシがある。キャラクターの配置がうまい。完璧な人格者より、敬意を払いたくなる。

私は当初、スティーヴとギルがなんらかの事情で決闘する映画と思っていた。しかし2人は対立すれども、ギリギリのところで決裂しない。なさそうで、ありそうな、不思議な関係だ。スティーヴは凶弾に倒れるが、ギルの魂を再生させる。こんなラストが待っていたとは思わなかった。
保安官はなぜ誇りにこだわるのか?
無法者はなぜ豹変したのか?
細かいところは語られないが、年老いた男たちの悲哀を感じる。しぶい。

わかりやすいとは言えないが、なんとも言えない切なさがあって、おもしろかった。こんな西部劇もあったんだね。

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