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[レビュー1981年12月16日に発表された 

人類創世

QUEST FOR FIRE / La Guerre du feu

動物が人間に変わるとき

原題は「火の探求(火の戦争)」だが、それを「人類創世」と変えたセンスが素晴らしい。まさしく本作のテーマは火ではなく、動物が人類に進化する物語だった。

セリフはないし、展開は単調だから、前半は「動物ドキュメンタリー」を見ている気分だった。編集されると、動物にも知性があるように見えるからね。それだけ特殊メークと演技は迫真だった。
しかし時間が経つと、「ウッホウッホホ」という彼らの声が、言葉に聞こえてくる。人食い人種と遭遇した恐怖、助けた少女への気遣い、そして"笑い"の発見。性欲が愛情に変わったとき、そこにいるのは動物ではなく人間だった。

ラストでふたたび火種は失われるが、彼らの手により再生される。もし彼らに、少女への憐憫や理解、愛情がなかったら、火種の再生もなかった。そう考えると、愛情の大切さがしみじみ伝わってくる。
言葉にすると軽いけど、この映画を見ると尊く感じられた。いい映画を見たと思った。

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