レビュー  1976年04月17日  に発表された 

超電磁ロボ コン・バトラーV (全54話)
Super Electromagnetic Robot Com-Battler V

5ツ星

1つの頂点

直撃したね。初放送時は5歳だから、私が夢中になって見たのは再放送だろう。スーパーロボットの元祖、『マジンガーZ』(1972)も再放送で見ていたが、当時の私にとっては「古い作品」であった。それだけ『コン・バトラーV』は新しかった。

なにが違ったか? やっぱりアニメで描かれたとおり合体変形できる玩具(超合金)の存在が大きい。あのころの子どもたちは、ストーリーや世界観なんて求めていなかった(現在も?)。テレビで見たままの玩具を見たら、「欲しい」「触りたい」「あれ買って」と反応する動物だった。あのころ見た玩具の中で、コン・バトラーVは飛び抜けてかっこよかった。まぁ、私は買ってもらえず、友だちの家で遊ぶだけだったが...。

ストーリーもちょこちょこ覚えている。印象的だったのは四ツ谷博士。人間が大嫌いだが、自然が破壊されることに怒ってバトルチームの戦闘指揮を引き受けるシーンは、なぜか脳裏に焼き付いている。大酒飲みで、だらしないが、バトルチームを厳しく叱り、大胆な作戦で勝利に導く。かっこいい大人だった。
バトルチームのメンバーでは、やっぱり南原ちずるに魅了された。「紅一点」という言葉を覚えたのも、本作だった。それからロペットもいいね。『宇宙戦艦ヤマト』(1974)のアナライザーより親しみやすい。敵に操られて、合体が阻害されるなど、ストーリーへの組み込みもうまかった。

そしてガルーダですよ。高圧的な敵司令官で、とくに注目していなかったが、その正体に驚かされた。当時は言葉にできなかったが、はじめて見た「アイデンティティの崩壊」だった。ひょっとしたらあのシーンが、私の「SFマインド」を目覚めさせたのかもしれない。

当時の子どもは、玩具にしか興味はなかった。アニメを制作する大人たちも、アニメは子どもを扇動するツールでしかなかった。動いていりゃあ、それでいい。にもかかわらず『コン・バトラーV』のシーンをあれこれ思い出せるのは、それだけしっかり作られていたから。初見でわからなかったことが、何度も見ることでわかったシーンも多い。
子ども向けアニメを、しっかり作ってくれるクリエイターがいたから、私たちはアニメに夢中になった。子どもを卒業しても、アニメを見つづけた。当時、アニメを作っていた人たちは、ほんとは映画や舞台をやりたくて、生活のためアニメを作っていたかもしれないが、彼らはいい仕事をしたと思う。

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超電磁ロボ コン・バトラーV (全54話)