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[レビュー2001年03月16日に発表された 

スターリングラード

Enemy at the Gates

過去よりも未来、それが勝敗を分けた

すさまじい映画だった。「スターリングラード攻防戦は過去の戦争であり、新しい戦争はこれほど愚かじゃない」と言える人は幸せだ。新兵を最前線に送り込み、背後から銃撃した連中も、スターリンの粛正を恐れている。恐怖の連鎖が恐ろしい。

戦争はどんどん意味を失っていく。ドイツvsソビエトも、ナチスvsユダヤも、ターニャをめぐる三角関係も色あせる。理想に燃えたダニロフは、なお哀れだった。
英雄ヴァシリとケーニッヒ少佐は、互いに「名もなき兵士」となって激突する。どちらも理性的ではなかったが、子どもを殺された恨みより、愛する人との約束が勝ったのは象徴的だった。
認識票をつけていれば、ケーニッヒはミスを犯さなかったかもしれない。
ターニャが生きていると知っていたら、ヴァシリは待てなかったかもしれない。
そして戦争がなかったら……。戦争で失われた数多くの未来に言葉を失う。

個人的には、『プライベート・ライアン』よりおもしろかった。

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