劇場版 大鉄人17 Daitetsujin 17

1977年 特撮 2ツ星 ロボット:自律型 主人公は子ども 電脳 @石ノ森章太郎

「ブレインがみずからの意志で動いたとしたら?」

第1話と第2話の再編集版。
三郎少年とワンセブンが出会い、ローラーロボットを倒すまでを描いている。ストーリーの区切りとしては正しいが、前半(1話)でワンセブンを拒絶していた三郎くんが、後半(2話)で受け入れるのは急すぎる。ヘルメットをかぶる経緯も省かれてしまった。
ブラインが自我をもって逃亡したり、姉さんが嫁入り直前に殺されるなど、序盤はじっくり描かれていたので、この不連続はもったいない。

特撮番組は昔も今も、ヒーローの成り立ち(アイデンティティ)をおざなりにしすぎている。本作で言えば、ブレインとワンセブンの対立や、三郎少年との交流は物語の根幹をなすところだ。この劇場版だけみても、なぜブレインが人類に敵対するのか、なぜワンセブンが戦ってくれるのか、さっぱりわからない。まぁ、子どもは忍耐力も理解力もないから、難しい話をしても飽きられるわけだけど、こうしたアイデンティティの弱さが、後半のテコ入れと迷走を招いていると思う。

大鉄人ワンセブンは『仮面ライダーフォーゼ THE MOVIE みんなで宇宙キターッ!』(2012)において、衛星兵器XVII(エックスブイツー)として復活したね。しかしフォルムが似ているだけで、共通項はなかった。まぁ、客演だから仕方ないけど。
ブレインとワンセブンの対立が示すメッセージ性は、今なお色褪せない。これもリメイクを期待したい作品の1つである。

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