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[レビュー2002年03月10日に発表された 

9.11 N.Y.同時多発テロ衝撃の真実 9/11

「いいことをしたい、ただの人間なんだ」

911発生から半年後に公開されたドキュメンタリー映画。タイトルを見て、悲劇性を煽る内容だろうと直感した。そもそも、なぜ半年もかかったのか? たまたま消防士を取材していたという「設定」も胡散臭い。映像の背後に、なにか思惑があるような気がしてならなかった。

しかし実際に見てみると、脚本も演出もない実体験映像に圧倒された。あの日、テレビで見ていた映像の"現場"に引きずり込まれる。なにが起こったのか、だれも説明してくれない。どっちに逃げるべきか、どっちに行くべきか? やがてカメラは災禍の中心(グラウンド・ゼロ)にたどり着く。グロテスクな映像を覚悟したが、そこは伏せられた。しかし彼らがなにを見たかは、おのずと想像できる。帰還して、英雄と称賛されることに疑問をもつ消防士たち。たまたまそこにいて、できることをやって、できないことに打ち負かされてきただけ。特別な人間なんていなかった。この映像がどのように製作されたかは、もう気にしなくなっていた。

911の真相は、誰にもわからない。しかし起こったことは疑いようもない。911を描いた映像作品が出てくるだろうが、その前に見ておくべき1本であろう。


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