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[レビュー2004年10月03日に発表された 

トップをねらえ2! (全6話)

Aim for the Top 2! / Diebuster / Top wo Nerae 2!

まるで総集編のようだ

世界観

西暦2048年、カルネアデス計画によって人類は宇宙怪獣の巣を撃滅。しかし縮退炉が宇宙怪獣を引き寄せると判明したため、縮退炉技術を封印。太陽系の内側に閉じこもり、太陽系絶対防衛システム(バスター軍団)を配置した。

銀河連邦が崩壊すると、旧帝国時代の技術や記録は失われてしまった。バスター軍団は「宇宙怪獣」と誤認され、人類と戦争状態になる。縮退炉を製造できなかった人類は、超能力(エキゾチックマニューバ)でバスターマシンを駆使する部隊、「トップレス」でこれに対抗した。トップレス能力は20歳前後に失われる(あがり)ため、十代の少年・少女たちで構成された。

西暦1万2千年。太陽系内で「変動重力源」が発掘される。異星人のバスターマシンと思われていたが、それこそが本物の宇宙怪獣であった。

SF設定と、若者たちのドラマがおもしろい。敵と味方、強者と弱者が入れ替わる展開もグッド! しかし駆け足で描かれたため、状況説明も心理描写も足りてない。映像的快感を求めるあまり、理不尽な描写も多い。設定資料に目を通し、何回か見返せば、状況の意味、キャラクターの心情も見えてくるが、やはり本編で楽しめるようにしてほしかった。

宇宙怪獣とトップレス

前作『トップをねらえ!』において、宇宙怪獣の行動目的は繁殖ではなく、人類の殲滅にあると示された。その理由は人類が宇宙環境に悪影響を及ぼすためと推測されていたが、『2』ではトップレスが進化した姿が宇宙怪獣であると判明した。
つまり宇宙怪獣は、自分たちの仲間になるものを根絶やしにしようとしていたわけだ。生物としては考えられないことだが、宇宙怪獣が超能力をもった少年・少女たちだったなら、悲劇的な心理が働いているのかもしれない。
たとえばサーペンタイン姉妹の片割れが宇宙怪獣に変貌し、もう片割れを抹殺したら、「自己に並ぶものを認めない」とする宇宙怪獣の習性が伺えたかもしれない。

トップレスをケアしない人類

フラタニティに招聘されるトップレス能力者は、一億人に一人の割合しか存在しない。若くしてバスターマシンを駆使し、人類の守護者となるわけだから、強烈な高揚感があるだろう。また「あがり」への恐怖も強かろう。

フラタニティは、そうしたトップレスを支援するための組織だが、啓蒙活動も引退後の保証もしていないようだ。人類の守護者が、「あがり」を迎えたとたん世間に無視されるなんて、トップレスを不安定にするだけだ。理解しがたい。

トップレスの歴史は長く、サーペンタイン姉妹のように権謀術数をめぐらす存在もあったはずだが、人類は無防備だ。トップレスの盛りは短いため、戦う以外のことはできないと油断していたのだろうか。「あがり」を迎えるまえに人類に反逆するトップレスがいてもおかしくないのに。

ハトリ大佐は「トップレスと宇宙怪獣は同じもの」と言っていたが、もっと強調すべきだった。タイタン変動重力源(本当の宇宙怪獣)が出現したときは、そんな仮説も忘れていて、混乱してしまった。

その後の世界は?

トップレスは変動重力源(本当の宇宙怪獣)に歯が立たない。もはや用済みであるばかりか、バスター軍団を混乱させ、人類の中から宇宙怪獣を生み出す恐れもある。物語はエグゼリオ変動重力源との対決が主軸となるが、すべてが解決したあとも、トップレス能力は封じられるようだ。まぁ、殺されないだけマシだ。

百年もすれば、成人検査を逃れたトップレスが部族を作るかもしれない。『地球へ...』の世界につながるようで、その過程も見てみたくなる。

バスターマシン7号はいらなかったのでは?

結局、バスターマシン7号が建造され、ノノリリという人格を与えられた経緯は詳らかにならなかった。おそらく1万2千年後に帰還するノリコとカスミを迎えるためと思われるが、そこはそれ、ちゃんと述べてほしかった。

ノノはたまたま記憶を失ってしまったが、正常に稼働していたら数千年もノリコとカズミの帰還を待つことになる。まるでアウター・リミッツ「ガラスの手を持つ男」のようだ。これはこれで見てみたかった展開だ。

ノノはおもしろいキャラクターだが、異世界の住人なので世界観をぶち壊してしまった。お姉さまのピンチで記憶が戻って、ワープで駆けつけるって、どこに「努力と根性」があるんだか。

うすっぺらな「努力と根性」

はたしてラルクは努力しただろうか? 先天的な才能でトップレスになり、「あがり」を恐れず戦ってきたのに? それはノノも同じで、トップレスになるため悪戦苦闘なんか「努力と根性」とは言えない。

そんな2人が最終決戦で「努力と根性」を叫ぶのは呆れてしまう。「トップをねらえ!」シリーズの伝統として口走っただけで、意味をわかってないかもしれない。

ノノ(バスターマシン7号)がいなかったら、本作はハードSFになれたかもしれない。私みたいな人間は大喜びだが、興行的な失敗は避けられない。難しいところだ。

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