悪魔の棲む家 (リメイク) The Amityville Horror

2005年 外国映画 4ツ星 幽霊屋敷

ストーリーはいいけど、怖さの演出が足りない

1979年の同名ホラー映画のリメイク。オリジナルは見てないが、リメイクはどこか外しているような気がする。「マイケル・ベイ製作」で先入観が働いているかな? いつか比較してみよう。

ホラー映画の基本はきっちり抑えている。実話に基づくとテロップ、霊に反応する娘、悪戯したと怒られる息子たち、神経質になる嫁、だんだん偏狭になる夫──。ジョージが連れ子との関係に悩んでいたことが、ほどよく疑惑を逸らしている。うまい構図だ。
しかしジョージが怖くなりすぎて、「家」の存在がうすくなっている。数々の怪奇現象も「家」と関連付けられていない。「家にいる時だけおかしい」とか「家に並々ならぬ執着を示す」といった予兆がほしかった。また家族を襲う理由もよくわからない。幻覚で家族を恐れるようになったようだが、それにしては態度が横柄だ。過去の惨劇から考えると、家族を蔑視し、虐待したがる方が筋が通る。よくわからない声に「殺せ」と命じられたくらいで、ああはならないだろう。結局、家を離れればジョージは元通りになり、家族も受け入れちゃうのだから、わかりやすい悪霊だったと言える。

演出が安直なのだ。フラッシュバックやSEは驚くけど、怖さが持続しない。ジョージはどの部屋で、だれが、どのように殺されたか、過去映像を含めて検証しておくべきだった。殺人があった家に住むことの怖さを描かずして、どうするのか。

実際にあった出来事や、オリジナルに制約を受けているんだろうか? よくわからないけど、ぱっとしなかった。

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