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[レビュー2006年05月27日に発表された 

嫌われ松子の一生

MEMORIES OF MATSUKO

「気がつけば、歌っていました♪」

このミュージカルはすごい! 絢爛たる人生に美化されているが、現実はわびしいかぎりだ。とりわけ晩年はひどく、誰かに殺されなくても、早晩、のたれ死んでいただろう。愛された数は少なく、しかし愛した数は多い。その生き様をどう見るかで、自分の価値さえ決まってしまいそうだ。

甥の視点で描いているのもいいね。死んだ伯母さんの話は、他人のようで他人でなく、妙なくすぐったさがある。松子から一歩ひくことで、本作はとても親しみやすくなったと思う。

さまざまなエピソードが、死という結末に向かってつながっていく。だんだん全体像(人生)が見えてくるのは、じつに痛快だった。すべてが明らかになったときは、当人がもう死んでいる事実を突き付けられたようで、なんとも寂しい気持ちになった。

美しくて、汚い。切なくて、楽しい。
いい映画を見たと思った。

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