犬神家の一族 (全5回) / 古谷一行 横溝正史シリーズ #1 Murder of the Inugami Clan

1977年 日本ドラマ 2ツ星 #金田一耕助

西村晃が強すぎる

記念すべき横溝正史シリーズ1作目。古谷一行がはじめて金田一耕助を演じた作品でもある。すでに逆立ちするクセがあるなど、役作りがされているが、振り返ってみると脚本と配役がよくなかった。

テンポが悪くて、見ていて疲れる。とりわけクライマックスはひどい。金田一はさしたる証拠もなく松子を対決し、追っ払われている。ちゃんと考えてから追求してほしい。また、松子が佐清の無事を知ってしまったため、自己保身のため沈黙する構図になったのも残念。金田一は状況の変化についていけてない。
ラストで珠世は東京で働くと言い出すが、これも本末転倒だ。珠世は佐清の出所を待つんじゃなかったのか。これじゃ佐清と結ばれても、ふたりで犬神家を捨ててしまいそう。佐兵衛の知略も空振りだったか。

もう1つの問題は、古館弁護士を演じる西村晃の個性が強すぎること。声は渋いが、反応はチャーミング。探偵料を分割払いにして、おにぎり代を差し引く守銭奴だが、ラストは気っぷよく払ってくれる。ゲストキャラとは思えないほど魅力的。金田一が完全に喰われてしまった。古谷一行がかわいそうだった。

犬神家の面々がていねいに描かれたのはよかった。お屋敷も重苦しい雰囲気もよい。そのくらいかな。

金田一耕助
石坂浩二
渥美清
古谷一行
  • 名探偵・金田一耕助シリーズ
  • 1.本陣殺人事件(1983)
  • 2.ミイラの花嫁(1983)
  • 3.獄門岩の首(1984)
  • 4.霧の山荘(1985)
  • 5.死仮面(1986)
  • 6.香水心中(1987)
  • 7.不死蝶(1988)
  • 8.殺人鬼(1988)
  • 9.死神の矢(1989)
  • 10.薔薇王(1989)
  • 11.悪魔の手毬唄(1990)
  • 12.魔女の旋律(1991)
  • 13.八つ墓村(1991)
  • 14.悪魔が来りて笛を吹く(1992)
  • 15.女怪(1992)
  • 16.病院坂の首縊りの家(1992)
  • 17.三つ首塔(1993)
  • 18.迷路の花嫁(1993)
  • 19.女王蜂(1994)
  • 20.悪魔の唇(1994)
  • 21.悪魔の花嫁(1994)
  • 22.呪われた湖(1996)
  • 23.黒い羽根の呪い(1996)
  • 24.幽霊座(1997)
  • 25.獄門島
  • 26.悪魔の仮面(1998)
  • 27.悪霊島
  • 28.トランプ台上の首(2000)
  • 29.水神村伝説殺人事件(2002)
  • 30.人面瘡(2003)
  • 31.白蝋の死美人(2004)
  • 32.神隠し真珠郎(2005)
鹿賀丈史
豊川悦司
上川隆也
稲垣吾郎

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