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[レビュー2006年08月09日に発表された 

ワールドトレードセンター

WORLD TRADE CENTER

2度、見ることをオススメする

ビルが崩れる寸前、マクローリンは周囲を見渡す。守るべき市民、エントランス、部下たち、装備、エレベータ、地響き......。マクローリンは市民誘導をあきらめ、逃げろと叫んで一目散に走り出す。瞬間の迷いと判断が心に焼き付く。と同時に、そんな直感と運にたよらなければ生き残れなかった状況に戦慄する。なにが起こるか知っていれば、これほどの犠牲は出なかっただろう。事件から5年も経つと、あのときの混乱を忘れていることに驚く。

私は誰が生き残るのかわからず、ハラハラしながら見ていた。実話を元にしていても、『パーフェクト ストーム』の例もあるからね。しかしストーリーを知ってから見直しても、また新たな感動があった。より広い視野で現場や登場人物たちの動きが見える。

事実は小説よりも奇なり。現場に駆けつけた二等軍曹は、じつは"元"海兵隊の市民なんだってね。あれだけ無心に人を救おうとした人物が、ラストで報復を口にするところが生々しい。正義は悪を、愛は憎しみを生み出すのか。被害にあったアメリカ人の美談だけでなく、こうした気質に触れるところがオリバー・ストーン監督らしい。


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