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[レビュー1993年05月07日に発表された 

ブルース・リー物語

李小龍傳奇 / DRAGON: THE BRUCE LEE STORY

背景をふまえて見ると恐ろしい映画

映画の登場人物とアクションスターは同一ではない。この映画のブルース・リーは過分に美化されていると思うけど、ひょっとしたら事実かもと思わせる説得力があった。ブルース・リーが亡くなったのが1973年で、この映画が公開されたのが1976年だから、リアルタイム性も影響しているのだろう。ともあれ、中盤あたりから美化か事実かは気にならなくなって、生身のブルース・リーの活躍に目が離せなくなった。

序盤はもっさりしていたアクションも、徐々に冴えてくる。しかし同時に身体の故障も増えていき、ハラハラしてしまう。EMSでトレーニングしているシーンなんかも痛々しい。気がつくと、奥さんの視点でブルース・リーを見ていた。ブルース・リーの死因をほじくり返さないラストも、落ち着いて考えると印象的だった。

ときおり挿入される白昼夢が、めっちゃ怖かった。どれほど身体を鍛え、精神を養えば、あんな怪物と対峙できるだろう? ブルース・リーが命がけで生きていたのもうなづける。ブルース・リーは父親から呪いを受け継いだという設定だったが、映画公開の17年後に、まさか息子のブラントン・リーまで早世するとは誰も予想しなかっただろう。そうした事情を踏まえてみると、なおさら恐ろしい。
映画としては拙い部分もあるが、おもしろかった。

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