レビュー  1964年03月08日  に発表された 

地球最後の男
The Last Man on Earth

4ツ星

もっとも原作に忠実な映画化

リチャード・マシスンのSF小説『I Am Legend』の、最初の映画化。古い映画だし、モノクロなので、テンポが悪いことは否めないが、見るべき点は多い。
原作者自身が参加しているだけあって、プロットは原作に忠実。発電機の整備をしたり、白木の杭を削るシーンはリアルだし、のちの映画化では無人に描かれる市街地に死体がゴロゴロ転がっているのは不気味だし、寂寥感がある。
SFというよりホラー色が強い。単調な動きを繰り返す吸血鬼は、まさにゾンビの源流。本作にインスパイアされて、ロメロが『Night of the Living Dead(1968)』を作ったのもうなずける。

ほぼ原作通りだが、ルースが人間に戻れたことを喜ぶのは驚き。彼女にしてみれば、怪物に改造されたようなものなのに。そしてラスト、ひとり去っていくルースは人間なのか、吸血鬼なのか? 解釈の余地があるのもおもしろい。
タイトルが示すように、「レジェンド」より「地球最後の男」が強調され、この流れは2作目、3作目に受け継がれていく。ヴィンセント・プライスは神経質で、自尊心が高そうだが、原作のように弱々しいネビルもいつか見てみたい。

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