悪夢探偵 Nightmare Detective

2007年 日本映画 3ツ星 探偵 超能力

「ぼくはこれを仕事にしてるわけじゃないんです」

やる気のない悪夢探偵(松田龍平)がおもしろい。「いやだいやだ」という口癖も、いいアクセント。設定も細かい。夢に潜入するにはまず裸になって、寝言と問答しなければならない。あれこれ手間取るわりに、潜入時のリスクは大きく、夢の中で使える特殊能力もない。事件を解決しても社会的に評価されることもない。まさに悪夢のような能力だ。実際、彼はどうやって生活してるんだろう。どうして子どもたちに信頼されてるんだろう。興味がわくなぁ。

やる気のないヒーローを引っ張り出すのは、パートナーの勤め。しかし美人刑事(hitomi)の人物描写は浅く、うまく噛み合ってない。ただ性格は強烈で、最初から最後まで自分勝手を貫いていた。ラーメンは「けっこう」「食べたくない」「食べられない」と断られているのに、完全無視。ここまで人の話を聞かないと、社会生活に支障が出そうなものだ。悪夢探偵といいコンビになってほしかった。

もっとも残念なのは敵。0(ゼロ)という名前も、犯罪動機も、正体も物足りない。ヒーローが活躍するためには、能力に対応したヴィラン(怪人)が必要だが、力不足は否めない。じつにもったいない。

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