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[レビュー2006年04月08日に発表された 

ウルトラマンメビウス (全50話)

Ultraman Mebius

ありがとう... 心からの言葉を贈りたい

最初から最後までおもしろかった。これほど完成された特撮番組は見たことがない。友人に勧められたときは、正直、「今さらウルトラマンなんて」と思ったが、これは傑作。「今さらウルトラマンなんて」と思っている人にこそ、おすすめしたい。多くの人とメビウスの話をしたいので、番組の見どころを紹介しよう。

40年の総決算

『ウルトラマンメビウス』は、ウルトラマンシリーズ誕生40周年記念作品として制作された。昭和シリーズと世界観を共有しているので、ウルトラマン、セブン、新マン(ジャック)、エース、タロウ、レオ、80といったウルトラマンが客演する。もちろん彼らを苦しめた怪獣や宇宙人も顔を出す。いくつかのエピソードは旧シリーズの続編になっており、旧作の設定を補完している。
たとえば、こんな感じ。

ウルトラマン80

ウルトラマン80は怪獣の発生要因であるマイナスエネルギーを調べるため、矢的猛として中学校の教師をしていたが、UGMにスカウトされる。先生、隊員、そしてウルトラマンの三重生活に無理があったのか、第13話以降は学校勤務のシーンがなくなってしまう。最終回、人類が自力で怪獣を倒したのを見届けた80は、自分の役目は終わったとM78星雲に帰っていった。

あれ? 中学校はどうなった?
そんな疑問に答えてくれたのが『メビウス』である。

ウルトラマンメビウス第41話「思い出の先生」

あれから25年──。矢的猛に教わった生徒たちも成長し、あるものは先生に、あるものは八百屋に、あるものはお母さんになっていた。彼らは突然退職した矢的先生のことが気がかりで、同窓会を開くことになった。そのころ、ヒビノ・ミライ(ウルトラマンメビウス)はその中学校の付近で奇妙なエネルギーを検出する。

どう? 見たくなるでしょ!
おおまかな経緯はメビウス本編で語られるので、困ることはない。もちろん旧作を見ていれば、なお楽しめるだろう。

驚きに満ちたウルトラマン世界

ほかにも、旧作ファンをくすぐるセリフや名称が、うまーく使われている。単なるファンサービスではない。SFとして、世界観が確立されているのだ。ウルトラマンを見ていると、こんな疑問が湧くだろう。

  • 怪獣が連続して地球にやってくるのはなぜ?
  • 宇宙人であるウルトラマンが、地球防衛チームに紛れ込むのは問題では?
  • ウルトラマンは、なんで地球を守ってくれるの?
  • ウルトラマンがいないとき、どうして怪獣がやってこないの?
  • 守られてばかりの人類。では人類の自立とは、ウルトラマンを拒絶すること?

子ども向け番組だから、暗黙の了解として無視してきた部分にも、メビウスはしっかり答えている。精緻で、無理がなく、それでいて興奮がある。そのセンスには脱帽だよ。

予備知識

まぁ、鑑賞前に知っておいた方がいいこと。あるいは、鑑賞中に注目すべき点。

ウルトラマン(一族)
M78星雲の宇宙人。宇宙全域の平和を守る宇宙警備隊(=赤いウルトラマン)がいる。「ウルトラマン」は地球人からの呼び名であって、彼らが自分たちをなんと称しているかは不明。ほかの宇宙人もウルトラマンと呼ぶのは、宇宙語翻訳の問題と思われる。
ウルトラ兄弟
宇宙警備隊の中でもとりわけ強く、地球を守り抜いたウルトラマンに与えられる特別な称号。血縁ではない(ウルトラの父,母の実子はタロウのみ)。ゾフィー、初代マン、セブン、ジャック、エース、タロウ、レオ、アストラ、80までで9人。メビウスは、10番目のウルトラ兄弟になりたいと願っている。
ウルトラマンメビウス
宇宙警備隊のルーキー。タロウの教え子。人間の言葉は話せるが、地球の文化・風習にうとい。経験は浅くとも、潜在的な能力はきわめて高く、その場で学習・進化していく。ウルトラマンメビウスも本名ではない。
青いウルトラマン
M78星雲には青いウルトラマンもいるが、地球に来訪したことはない(80以降のウルトラマンはパラレルワールドとして扱われている)。青いウルトラマンはおもに科学者で、戦闘力はあまり高くない。
平和だった地球
ウルトラマン80が去ってから25年、地球には怪獣がまったく出現していない。そのため地球防衛チーム(GUYS)は、戦争をしない軍隊と認識されている。最近の若者は(親から話は聞いているものの)怪獣を見たことがない。
GUYS(CREW GUYS)
15年前に創設された怪獣防衛隊。80が去ってから怪獣が出現していないのに、規模が大きく、設備も充実している。創設にはGUYSジャパンの総監が大きく関わっている。命令を受けた隊員は「了解」の意味で「GIG(ジーアイジー:GUYS IN GREEN)」という符丁で答える。
アーカイブドキュメント
これまで人類が遭遇した怪獣や宇宙人の情報が収められている。このドキュメントのおかげで、既知の驚異に対しては有効な対策が打てるようになっている。科学特捜隊や地球防衛軍の遺産だ。
メテオール
宇宙船の残骸などから回収されたオーバーテクノロジー。原理が解明されておらず、その使用は厳しく制限されている。メテオール発動時、GUYSの戦闘機は宇宙船のような高音を出す(つまり宇宙船になっている)。
心からの言葉
地球に飛来したメビウスが最初に学んだ言葉。本作のキーワードになっている。

エピソード

下記は各エピソードの感想。まだ見てない人は読まないように。とりわけ感動したのは第42話「旧友の来訪」だね。なにがどう感動したのか、語りたくてしょうがない。

  1. 運命の出逢い ... バカヤロー! なんも守れてねーじゃねぇか!
    運命の出逢い
  2. 俺達の翼 ... ミライの天然ボケは、かなり強力な武器になる。
  3. ひとつきりの命 ... ウルトラマンが絶対無敵でないことを再確認する。
  4. 傷だらけの絆 ... 隊員紹介コノミ。今日は4分戦えた。怪獣ケシゴムを彷彿させる。
  5. 逆転のシュート ... 隊員紹介ジョージ。人間のわがままに配慮する宇宙人が痛々しい。
  6. 深海の二人 ... 隊員紹介マリナ。新生GUYSは、じつは特殊能力者の集まりだった。
  7. ファントンの落し物 ... 隊員紹介テッペイ。やっぱり宇宙語だよね。シーピンがバルンガに見えて困る。
  8. 戦慄の捕食者 ... ボガールの知性が低いのはガッカリだが、事件の中核に食欲があるのは新鮮。
  9. 復讐の鎧 ... ウルトラマンにも怒りの感情はある。そのせいで目が見えなくなっているのか。
  10. GUYSの誇り ... 「ウルトラマンの心を捨てた」「心は簡単には捨てられない、鎧で身を包んだとしても」
  11. 母の奇跡 ... ツルギ、セリザワ、ヒカリ。かなり、ややこしいことになってきました。
  12. 初めてのお使い ... ほんとに駄目なトリヤマ補佐官と、底知れぬサコミズ隊長。
  13. 風のマリナ ... マリナより、ミクラスの使いどころが悩ましい。やるときはやってくれ。
  14. ひとつの道 ... 家に萌え萌えメイドがいたら、勉強になりません。意外にジョージが好印象。
  15. 不死鳥の砦 ... 隊員の生還を重要視するアライソがかっこいい。メテオールは福音となるか?
  16. 宇宙の剣豪 ... 世界観を打ち砕かれるが、これもまたウルトラワールドと再認識する。
  17. 誓いのフォーメーション ... 最終回のような盛り上がり。リュウがサコミズをはじめて「隊長」と呼ぶ。
  18. ウルトラマンの重圧 ... がんばりすぎて輪を乱すメビウス。大変だよね、チームって。
  19. 孤高のスタンドプレイヤー ... ジョージが孤立するのは自己中だから。メビウス涙目。
  20. 総監の伝言 ... 気がつけば、だんだんミサキ総監代行が好きになっていた。サコミズはおそらく......
  21. 虚空の呼び声 ... 火星と言えばスペシウムとナメゴン。そして宇宙にはウルトラゾーン。
  22. 日々の未来 ... 第21話の解説編。第1話にそんなことがあったのか! 納得のエピソード。
  23. 時の海鳴り ... 叙情的な一遍。平和的・好意的な宇宙人は、どう対処すべきかわからない。
  24. 復活のヤプール ... 怪獣に比べ、宇宙人はやっかいだ。本気で仕掛けられたら、どうしようもない。
  25. 毒蛾のプログラム ... フジサワ博士が登場。異次元物理学の知識以前に、知能が高すぎる。
  26. 明日への飛翔 ... タイムリミットがある中で、権限の壁を越えられない組織の悲しさ。ミサキさん、すてき。
  27. 激闘の覇者 ... メビウスだけでなく、マンやセブンのデータ戦も見たかったが、それは劇場版だな。
  28. コノミの宝物 ... 妙に色気づくコノミ。子ども番組の枠を越える寸前だった。
  29. 別れの日 ... こんな早い段階で正体がばれるとは! お約束の枠から飛び出したメビウス。
  30. 約束の炎 ... いま明かされるウルトラ一族の歴史。そしてウルトラマンが地球を守る理由。
  31. 仲間達の想い ... 強化フォームの発動条件がわからないのは新鮮。
  32. 怪獣使いの遺産 ... 旧作は現実を、新作は希望を描いている。握手を未来に持ち越したのも見事。
  33. 青い火の女 ... ウルトラマンと医者は、代償を求めてはならない。泣けるぜ。
  34. 故郷(ふるさと)のない男 ... レオ最終回。「武器(光線技)にたよっては、隙ができる!」 渋いレオ兄さん。やばいほど興奮した。
  35. 群青の光と影 ... 青い身体の同胞のために堪えるヒカリにしびれる。そしてヒカリは、ウルトラマンになった。
  36. ミライの妹 ... なんも解決してないけど、なにかが変わったような空気が素晴らしい。
  37. 父の背中 ... マントを脱ぐと、肩が魅力的なウルトラの父。信頼しつつも、しっかり支援するのがうれしい。
  38. オーシャンの勇魚(イサナ) ... ゲスト出演で終わるのはもったいないが、レギュラーに加えるにはかっこよすぎる。
  39. 無敵のママ ... ママもすごいが、その死を受け入れ、誇りにできる子どもたちが素晴らしい。
  40. ひとりの楽園 ... これまたウルトラQっぽいエピソード。こういうのを混ぜてくれるのがありがたい。
  41. 思い出の先生 ... 80最終回。大学で勉強したこと、依願退職したことなどが明らかに。ホーも無言の訴えが泣ける。
  42. 旧友の来訪 ... 俺達は守られていたんだ。俺達の知らないうちに、俺達の知らない場所で、俺達の知らない敵からな...
    旧友の来訪
  43. 脅威のメビウスキラー ... 人間は守る価値がある生き物なのか? 同じ人間でも、許せないことはある。
  44. エースの願い ... エース最終回。「それが私の変わらぬ願いだ」 ウルトラタッチがまぶしい。
  45. デスレムのたくらみ ... 蒙昧な市民なんか焼き殺していいよ。同じ悩みに直面した郷の言葉は重い。
  46. 不死身のグローザム ... 真に恐るべきはフジサワ博士。あれだけ強大な敵を分析し、弱点を攻略できてしまうとは。
  47. メフィラスの遊戯 ... 「これはちがう!」 40年ぶりに出現したメフィラス星人(同じ個体)がたまらない。
  48. 最終三部作I 皇帝の降臨 ... 圧倒的な存在感で、暴虐の限りを尽くす皇帝。今こそ勇気を!
  49. 最終三部作II 絶望の暗雲 ... 絶望的なとき駆けつけてくれる友人を大切にせよ。本当の本当に。
  50. 最終三部作III 心からの言葉 ... ファイナルメテオール! これが人類の答えだ!!!!!!
    ファイナルメテオール

ウルトラマンを見てきて本当によかった。

ウルトラマン
1966 Q
1966 マン
1967 キャプテン
1967 セブン
1968 怪奇大作戦
1971 帰マン  
1972 A エース  
1973 タロウ
1974 レオ  
1979 ザ☆マン
1980 80  
1984 キッズ
1988 USA  
1990 G
1993 パワード  
1994 平成セブン
1995 ネオス
1996 ゼアス
1996 ティガ
1997 ダイナ
1998 ガイア
1999 ナイス
2001 コスモス
2004 ネクサス
2005 マックス  
2006 メビウス
2006 WoO
2007 SEVEN X
2007 大怪獣バトル
2009 ゼロ
2011 ゾーン
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2017 ジード  
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