幸せのちから The Pursuit of Happyness

2006年 外国映画 4ツ星 家族

とてもマネのできない方法

「貧乏人が株で大もうけするが、家族の絆を失って、本当の幸せとはなにか考える話」と思っていたが、ちがった。そして映画を見たあと、実在の人物の半生記と知って、さらに衝撃を受けた。信じられない。

貧乏から抜け出すにはどうしたらいいか?
キセキか、犯罪か、あるいはインチキでもなければ無理だと思うけど、クリスはちがった。ズルをせず、投げ出さず、ひたむきに努力した。彼が成功したことより、それまであきらめなかったことの方が信じられない。私なら、もっと早い段階で犯罪に手を染めていただろう。それしかないと思って……。

なにがクリスを支えたのか? 幸せのちからの源はなんだったのか? 妻や息子ではないだろう。考えてみると、かなり深いテーマだ。
駅のトイレで夜を明かしたとき、開けようとするドアを足で押さえるクリスが印象的だった。必死にドアを押さえているわけではない。出て行かなければならないのはわかってる。せめて、あと数分だけはという願いが伝わってきた。
そして就職が決まったときは、涙をこらえられなかった。それは決して、わかっていた結末ではない。
「幸せのちから」が自分にもあるだろうかと、考えてみた。

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