レビュー  2007年08月30日  に発表された 

鵺 / モノノ怪 (8-9話)
Nue - Mononoke

4ツ星

争奪されてこそ宝

今回の舞台は、雪が降り積む大きな公家屋敷。「香道」という知名度の低い題材を取り上げたのは意欲的だ。香りや気分の高揚を、色彩で表現したのも見事。しかし「香道」を学ぶのに精いっぱいで、犯人捜しや東大寺のこと、鵺の存在まで注意がまわらなかった。これじゃ本末転倒だ。

事実が明らかになったときのショックは大きかった。価値あるものであるためには、その価値を認める人が必要。言い換えれば、争奪されてこそ宝。その切り口は新鮮だ。
しかし振り返ると、説明が多かったわりに、肝心のことが描かれていない。まず東大寺(蘭奢待)だが、猛毒(夾竹桃)で死ぬリスクを冒すだけの価値があるなら、相応のエピソードを挿入すべきだろう。関連して、東大寺ばかりで自分の価値を認めてもらえない瑠璃姫の人物像を描くべき。彼女にとって東大寺はなんだったのか? 鵺と瑠璃姫がリンクしないのは意外だった。
まぁ、瑠璃姫は実在しなかったかもしれないが、だとすると鵺は「付喪神」だったことになる。人間の情念が介在しないものを、薬売りは斬れるのか? うーん。

気になる点はあるが、一気にたたき込むクライマックスはよかった。庭を埋め尽くす墓石も圧巻。誰もいない部屋で、霊たちと戯れる薬売りの姿を想像すると、ぞわっと来る。こういう和風ホラーテイストはよかったと思う。

 Googleで「鵺 / モノノ怪 」を検索する
 Wikipediaで「鵺 / モノノ怪 」を検索する
 IMDBで「Nue - Mononoke」検索する

コメント (Facebook)

[ASIN] B000UNAE7Q
思考回廊 レビュー
鵺 / モノノ怪 (8-9話)