レビュー  2006年11月03日  に発表された 

言葉なき隣人(ジョン・ランディス) / マスターズ・オブ・ホラー (S2-15)
Family / Masters of Horror

4ツ星

妄想力が素晴らしい

あらすじ

独身の中年男ハロルドは親しみやすい雰囲気だが、その正体は殺人鬼だった。しかも殺した相手を白骨標本にして、「擬似家族」として会話を楽しむ異常性を帯びていた。すでに妻、娘、父がおり、新たに母も加わった。すべて順調だった。
ある日、となりに若い夫婦が越してきた。奥方は魅力的で、ハロルドの妄想に火をつけた。しかし隣人をターゲットにするのは危険だ。理性と妄想がせめぎあう中、夫が行方不明になる。

『マスターズ・オブ・ホラー』第2期、邦題『13 thirteen』の2本目。通算15本目。ジョン・ランディスの『ディア・ウーマン』(S1-07)より遥かにおもしろい。

ハロルドの妄想会話を、最初は空耳にように演出したのはうまいね。意味がわかったときに膝を叩いたよ。犠牲者(白骨)たちがハロルドに感謝し、幸福な家族としてふるまうところはシュール。また「妻」が警戒し、懇願し、破壊される展開もしびれた。

生きている人間との妄想会話も強烈。相性が合わない相手は沈黙し、好みじゃないとダメな理由を述べ、バッチリだと家族にしてほしいと懇願してくる。ハロルドはターゲットを狙っているのではなく、ターゲットに選ばれている。恐ろしい。これが異常者の視点か。

そんなこんなでハロルドに親しみを覚えていたから、ラストは憐れだった。いやいやハロルドの見ていた世界はまやかしだ。幸福な家族などいやしない。一瞬でもハロルドに同情してしまうところが怖い。殺人鬼は、実際に殺人を犯す前に壊れているね。


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思考回廊 レビュー
言葉なき隣人(ジョン・ランディス) / マスターズ・オブ・ホラー (S2-15)