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[レビュー2007年08月04日に発表された 

怪談 (中田秀夫監督)

Kaidan

じつにチープ

なぜタイトルを『累ヶ淵』にしなかったのか? 小泉八雲の著作や、映画『怪談 Kwaidan』(1965)と混同させたかったのか? 『サロメ』を彷彿させるキービジュアルや、ジャパニーズホラー定番の黒髪美女の幽霊は、海外輸出を意識したのだろうか? こういう商法は映画産業の未来を潰すぞ。

中身もよくない。三遊亭圓朝の『真景累ヶ淵』をモチーフにしているが、「親の因果が子に受け継がれる」という側面が抜け落ちたため、『四谷怪談』の亜種になっている。豊志賀の情念を描きたいなら、親の世代の話はカットすべき。カットしないなら、ちゃんと言及すべき。

致命的なのは、新吉(尾上菊之助)に魅力がないこと。眼の焦点が定まらず、状況に流されるだけの男が、どうしてモテるのか? 終盤のアクションも似合わない。そもそも親から屋号を受け継いだ歌舞伎役者に、親から呪いを受け継いだ男を演じさせるのは悪趣味だった。

お賤(瀬戸朝香)も目立つわりに、呪いとの因果関係がはっきりしない。ストーリーの要請ではなく、事務所の都合でキャスティングが決まっているのだろうか? 日本映画の将来が不安になってきた。

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