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[レビュー1961年01月25日に発表された 

101匹わんちゃん

One Hundred and One Dalmatians

これぞ、アニメの本懐

昨今のアニメはデザインやストーリーが重視されるが、アニメの本質は「絵が動くこと」だった。CGならより多くのキャラを、より精細に、よりダイナミックに描けるだろうが、手描きでこの境地に達したことには、畏敬の念さえおぼえる。こうした感覚は前世紀の遺物かもしれないが。

99匹のダルメシアンの仔犬を題材にしたセンスに驚嘆する。35年後に実写映画『101』が制作されるが、当時はアニメでなければ不可能な映像体験だった。

キャラクターも魅力的だ。ロジャーとアニタは、古き良き時代のアメリカ人夫婦を体現しているし、クルエラ・ド・ヴィルの強烈な個性は夢に出る。犬たちが遠吠えで連絡しあったり、リレーの末端に老犬がいたり、随所にセンスが光る。

日本では『パンダコパンダ』(1972)が親しい。絵が動くことのおもしろさが先行し、ストーリーや世界観があとを追いかけて、それでいて全体的な調和がとれている。
こういう映画はもう作られないんだろうな。

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