ボーン・アルティメイタム The Bourne Ultimatum

2007年 外国映画 3ツ星 アクション スパイ 記憶操作

意味のないアクションが多すぎる

3作にわたるボーンの戦いも、ついに完結。ボーンは自分の過去を取り戻し、すべての陰謀を暴き出す。背景はおもしろく、考えさせるものだった。だが、この結末を描くために338分も使われたことを思うと、いまいち納得できない。
ジェイソン・ボーンに対抗するライバルがほしかった。「トレッドストーン計画」の後継である「ブラックブライアー計画」で生み出された、もう1人のボーンを出すべきだろう。命令に疑問を抱かないエージェントの是非を問うアンチテーゼになったはず。
3部作を通じたサブキャラがいないのも物足りない。パメラが理解者になったのはうれしいが、ニッキーは役割がない。じつに惜しい。

こんなに時間があったのに、その大半はアクションに使われてしまった。手近なものを武器にしたり、ぶつけるカーアクションはすごい。しかし大局的には意味のないアクションばかりで、終わったときのカタルシスがない。ぶっちゃけ、迷惑すぎる。

行く先々で破壊と混乱を巻き起こすボーンは、一般市民にとっては疫病神でしかない。政府の陰謀を食い止めることがボーンの存在意義になるが、そこまでの巨悪だったとも思えない。むしろ計画はすでに破綻していて、ただ隠蔽のためにボーンが追われていたらおもしろかったかもしれない。ボーンがおとなしく捕まれば、もっとも被害が少なく済んだだから。

それはそうと中肉中背で特徴のないマッド・ディモンは、暗殺者として適役だったも。群衆に紛れたら見つけられない。スターなのに、スターらしくないかも。

ジェイソン・ボーン
映画

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