雲のむこう、約束の場所 The Place Promised in Our Early Days

2004年 アニメ 3ツ星 SF 恋愛 戦争

素晴らしい世界が見えそうで、見えない

映像の美しさは飛び抜けている。リアルなのはもちろん、少年少女の情感がよく表現されている。キャラクターも、『ほしのこえ』より親しめる。

が、物語世界に入っていけない。日本が南北に分断された経緯や、ユニオンがどんな国家かわからないため、解釈に悩むからだ。ユニオンの意図は、結局最後までわからない。だったら、宇宙人が建設した塔でもよかったのに。

平行宇宙、眠りつづける少女、飛行機、約束、ヴァイオリン、開戦……。さまざまな要素が絡み合うが、いっこうの本筋が見えてこない。佐由理を飛行機に乗せてユニオンの塔へ接近することに、どんな意味と効果があるのか? 次の展開をまったく予想できないので、思考が停止してしまう。驚きはするが、興奮はなかった。

映画の尺に対して、要素を詰め込みすぎている。小説や設定資料なしには理解できない映画は、あまり好きになれない。

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