グレムリン Gremlins

1984年 外国映画 3ツ星 モンスター @S.スピルバーグ

これほど異質な存在をよく創造したもんだ

ギズモの愛らしさやモグアイの奇妙な生態より、グレムリンどもの極悪っぷりに圧倒される。コイツラには人類滅亡とか、地域支配といった目的はないので、どんなに残酷で致命的なイタズラも「遊び」なんだよね。それによって人間社会がどうなると知っちゃこっちゃない。あるいは自分たちの未来さえ考えていない。頭はいいのに心はなく、それでいてユーモアセンスはある。こんな恐ろしい生き物をよく考えついたもんだ。ジョー・ダンテ監督のセンスに脱帽する。

この映画、子ども向けに制作されたと思うけど、今じゃショックシーンが多くて放送できないだろう。しかし眠れないほど怖い映画、残酷なシーンを見ることは、子どもの情操教育によいのではないだろうか。むしろ、ショックシーンを見ずに育った子どもの方が、グレムリンのような悪事を働きそうで怖いよ。

そんな中、主人公の若者2人はじつに爽やか。フィービー・ケイツも愛らしい。これほど健全なカップルも、今は珍しい気がする。

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