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[レビュー1997年03月13日に発表された 

デビル

The Devil's Own

ブラッド・ピットを泣かせるな

悲しいテロリストと、融通が利かない警察官の物語。生き方を変えられないふたりが出会えば、まぁ、結末はおのずと予測できる。ストーリー的に目新しさはないが、本来なら「女スパイ」になる役回りを、色男(ブラッド・ピット)が演じているのは新鮮。
たくさんの人を殺して、武器調達のために渡米したテロリストが、ほろりと涙を流すだけでイメージが一変したのはすごい。あんな涙を見せられちゃ、悪人と罵ることはできない。男の色仕掛けを見たような気がするよ。

展開のスピードが遅く、キャラの立ち位置がわかるまでは、かなり退屈だった。それだけ時間をかけたのに、キャラの心情を描けたとも言えない。結末も、偶発的な悲劇に見えてしまうのは物足りない。
テロリストは逃げられると思っていたのか。警察官は逮捕できると思っていたのか。ふたりとも覚悟があったと思うのだが、そのあたりも描かれていない。もったいない。

鑑賞後は、なんだか切ない物語を見たような気分にひたれるが、それはブラッド・ピットの涙に惑わされているだけだ。

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