新網走番外地 Shin Abashiri Bangaichi
1968年 日本映画 4ツ星 任侠映画物怖じしない健さんの魅力
石井輝男が監督していない新シリーズ。行きあたりばったりな展開や、高倉健の粗野な魅力は受け継がれているが、高揚感はいまひとつ。なにかが足りないというより、余計なものが多すぎるのか。
序盤の米軍刑務所に送られるくだりは、まったく必要ないんだよね。4ヶ月経って、オープニング直後から再スタートするのは戸惑う。母と妹を探すのと、露天の顔役になっていく流れが不自然に見える。後半は怒りゲージをためて爆発するだけだが、これはこれで痛快。
ヤクザとの駆け引きは緊張感があった。ずずっと踏み込んでいけるのは、高倉健の度胸と愛嬌があればこそだね。また死体の前ではジャンバーの前を閉じる配慮も沁みる。
馬鹿だけど、心根がまっすぐなところがいい。