レビュー  2008年11月07日  に発表された 

ピクサー・ショート・フィルム
Pixar Short Films

4ツ星

ピクサーが熟成していく課程を楽しめる

1984年から2006年までに発表されたピクサーの短編アニメーション13本のセット。初期の作品はストーリーより技術試験といった印象が強いが、だんだん練り込まれていって、ストーリーを楽しめるようになっていく。表現力が豊かになっていく過程を、ショートムービーで確認できるのはおもしろい。

アンドレとウォーリーB の冒険 - The Adventures Of Andre And Wally B (1984)

モデリングが簡単で、すごい初期の作品だとわかる。時間も短く、おもしろみはない。

ルクソーJr - Luxo Jr (1986)

ロゴマークになったスタンドが登場。顔がないので、いい感じ。ストーリー性は希薄。

レッズ・ドリーム - Reds Dream (1987)

ピエロはやや不気味。一輪車の方がかわいい。サドルとペダルで感情を表現したのは見事。ラストは物寂しい。

ティン・トイ - Tin Toy (1988)

トイ・ストーリーで実証済みだが、3Dとおもちゃの相性はいい。しかし赤ん坊は不気味すぎる。

ニックナック - Knick Knack (1989)

ついにロゴが! ここがトイ・ストーリーの6年前。モデリングはまだ単純だが、監督のやりたいことが見えてきた。

ゲーリーじいさんのチェス - Geris Game (1997)

台詞なしで見事な演出。表情も豊かになって、いい感じ。しかも、おもしろい。

フォー・ザ・バーズ - For The Birds (2000)

質感が向上したが、内容はいまいち。

マイクとサリーの新車でGO! - Mikes New Car (2002)

『モンスターズ・インク』より。サリーが小さく見える。映画のダイナミックさを思うと、じつに物足りない。

バウンディン - Boundin (2003)

毛を刈られた羊が異星人のようだ。表現力は格段に進歩したが、これ以上のリアルさは好ましくないかも。ストーリーはシュールで、小気味いいが、楽しいと言えるほどじゃない。

ジャック・ジャック・アタック! - Jack-Jack Attack (2005)

『Mr.インクレディブル』より。ベビーシッターの表情が驚くほど豊かで、魅せられる。歯の矯正具など、妙なところでリアルというか、あえて、かわいらしさを抑える演出がいい。

ワン・マン・バンド - One Man Band (2005)

十分に技術がこなれてきた。ストーリー性もあり、やるせない楽しみがある。ラストは予想外。

メーターと恐怖の火の玉 - Mater And The Ghostlight (2006)

『カーズ』より。映画の一部を抜き出したような。写り込みや蛍光灯の灯りは猛烈にリアルだが、おもしろみはない。

リフテッド - Lifted (2006)

おもしろい! 最初から最後まで、文句なく楽しめる。CGであることを意識させない表現力。CG映画もここまで来たか!!

13本を連続してみたとき、私は1つの映像表現が生まれた時代に居合わせたことを実感した。おもしろかった。

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