必殺仕事人III (全38回) Hissatsu Shigotonin 3

1982年 日本ドラマ 4ツ星 #必殺 時代劇

アイドルが加わってもハード

世の中の 善と悪とを比ぶれば 恥ずかしながら悪が勝つ。 神も仏も無えものか。
浜の真砂は尽きるとも 尽きぬ恨みの数々を はらす仕事の裏稼業。
へへっ お釈迦様でも気が付くめぇ。

声:中村梅之助

本作から受験生・西順之助が仕事人メンバーに加わる。私は『必殺仕事人IV』(1983)をリアルタイムで見てたから、順之助は馴染みのキャラクターだったが、2016年、ニコ生上映会ではじめて加入経緯を知ることとなる。理想が高く、現実を知らず、覚悟が決まっておらず、仕事より受験を優先することもある。そんな若造が加わったことで、裏稼業の掟がきわだつとは、おもしろい化学反応だ。

殺さないでください。今夜の事は決してしゃべりません。ね、きみたち仕事人でしょ? 仕事人は正義の味方でしょ? それなのに仕事を見られただけでぼくを殺すんですか? それじゃ看板が泣きませんか? ぼく18、死ぬにはまだ若過ぎる。両親の期待もかかっていますし、助けてください。きみたちの事はしゃべりません。だって仕事人好きなんだ。ずっと御贔屓でずっと憧れてたんです、心から。

西順之助(第一話)

俺たちが銭もらって、人様の命ちょうだいするのは俺たちの命と暮らしがかかっているからだ。銭もらわねえでよ、正義のためだけに人殺してみろ!! 思い上がっちまうだろ!! 次から次に人殺さなきゃならねえ。銭もらうのは人としての歯止めなんだ。

中村主水(第一話)

順之助の殺し技・エレキテルはウソっぽく、けっこうエグい。Wikipediaによると、十代が暗殺することに批判があったことから、順之助はじょじょにサポート役にまわって、投石機に移行したそうだ。
未成年に暗殺をやらせちゃよくない? え? 成人ならいいの?

殺しから遠ざかったことで順之助の成長は止まり、キャラクターとして愛玩されるだけとなる。役者として化けることもなかった。「若者を守れ」という批判によって、若者の未来が閉ざされたように見える。

後半はややストーリーが散漫になるが、まぁ、おもしろかった。

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