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[レビュー2008年08月16日に発表された 

空の境界 第五章 矛盾螺旋 Paradox Paradigm. Kara no Kyokai Movie 5: Paradox Spiral

枝葉こそ中枢だった!!!

第5章にして、ようやく楽しみ方がわかってきた。物語の核心に深い意味などない。推理ドラマのキモは殺人トリックであって、殺人に至る動機や背景じゃない。誰が、なんのために、なにをしたかではなく、どうやってやったかに注意すべきだ。

そう割り切ると、第5章はおもしろかった。倒すべき敵は明らかなのに、この複雑さ、冗長さ、派手さはどうだろう? 物語の核心を解きほぐせば無駄なものばかりだが、無駄の描写にどえらい労力を注いでいる。あまつさえ、無価値の価値をテーマにまで昇華している。物語の構成も凝っていて、同時進行の出来事を前後編のように描き、わかりにくさを高めている。すごい。臙条巴くんも素晴らしい。ハリウッド映画に毒されたような、赤面必至の恥ずかしいセリフが、次から次へと飛び出してくる。たまりませんよ。

アレがわからない、ココが不可解だのと騒いでいた自分の蒙昧さを恥じる。これは、こういうものであり、ただ受け入れるだけでいい。既存のカタに当てはめようとする行為は、まったく無意味だった。


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