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[レビュー1988年05月25日に発表された 

ランボー3 怒りのアフガン

Rambo III

誰の戦争だったのか

101分の本編で108人の死者を出す過激なアクション映画。『2』に比べると見劣りするが、アフガン人との交流やベトナム戦争の反省を描いたのはうまい。ランボーの超人的な活躍が前面に出すぎたのは残念だが、まぁ、そこがウケたポイントだから外せないか。

ランボーは「自分の戦争は終わった」と言いつつも、大佐のため、アフガン人のため、戦場に還ってくる。しかしアフガニスタンに根を下ろすわけじゃない。アメリカがランボーを歓迎するわけでもない。ランボーは他人の戦争に関わることでしか、自分の居場所を見つけられない。その悲哀をもう少し描いてほしかった。

本作が上映された1988年は、アフガニスタン紛争(1978年-1989年)の末期。上映10日前に和平協定が結ばれ、やがてソ連軍の撤退、ソビエト連邦の崩壊へとつながっていく。そんな時代背景をかんがみれば、本作のメッセージは強い。アメリカにとっては他人の戦争でも、決して無視してはいけない。この映画がどれほどアメリカ人を鼓舞したか、想像に難くない。
ところが2001年、アメリカは911テロをきっかけとしてタリバン政権と武力衝突を起こす。劇中でさんざん批判したソ連の蛮行を、アメリカがやってしまうとは。なんて愚かなことだろう。
アクション映画として見ると、本作はそれほど魅力的ではない。しかし近代世界史と合わせて鑑賞すれば、多くのことを学べると思う。

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