どこが安全で、なにが真実なのか?

あらすじ

看護師カレンは多忙な一日を終えて、地下鉄で帰路につく。ところが停電で地下鉄は停車し、暗闇に閉ざされる。そのとき、何人かの乗客たちのポケベルが一斉に鳴りだした。それはカルト宗教「希望の声」の信者たちが、救済のために殺戮を開始する合図だった。

『レイジ34フン』(2005)の劣化コピーのような邦題だが、ぜんぜんちがう。映像はチープだし、粗いところはあるが、おもしろかった。掘り出し物だよ。原題の『End of the Line』(終着点)は劇中でも印象的に使われているのに、なぜこんな邦題にしたのだろう? この邦題でかなり損してる。

カルト集団が完全に洗脳されておらず、個性や迷いを残しているのがうまい。ストーリーが円滑に進むし、人間らしさが反撃を躊躇させる。のちに彼らは、悲壮な決意をもって使命を果たしていたことがわかる。大いに納得できる。ただ狂っているより、ずっと怖い。地下で追い詰められた乗客たちが、地上への脱出をためらうのもおもしろい。地上は人が多い。果たして地上は安全なのか? 危険と思っていた場所が、相対的に安全になるのは驚きだった。

惜しむらくは、もう1つの視点がわかりにくいこと。キーワードは「麦角菌」。

  • カレンはマフィンを食べていた。
  • カレンはポケベルが鳴る前から繰り返し幻覚を見ていた。
  • 同じくマフィンを食べたフランキーも怪物を見た。
  • 逃亡中にもカレンは怪物を見ている。
  • 最後の怪物を見たのはカレンだけ。

ひょっとしたら、最後に現れたのは救助隊かもしれない。そう考えると、あのラストも納得できる。おもしろい解釈だが、伏線が細かすぎて気づかない人も多いだろう。もったいない。

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