11:46 End of the Line
2008年 外国映画 4ツ星 カルト モンスター:ゾンビ モンスター:悪魔 文明崩壊後 狂気どこが安全で、なにが真実なのか?
あらすじ
看護師カレンは多忙な一日を終えて、地下鉄で帰路につく。ところが停電で地下鉄は停車し、暗闇に閉ざされる。そのとき、何人かの乗客たちのポケベルが一斉に鳴りだした。それはカルト宗教「希望の声」の信者たちが、救済のために殺戮を開始する合図だった。
『レイジ34フン』(2005)の劣化コピーのような邦題だが、ぜんぜんちがう。映像はチープだし、粗いところはあるが、おもしろかった。掘り出し物だよ。原題の『End of the Line』(終着点)は劇中でも印象的に使われているのに、なぜこんな邦題にしたのだろう? この邦題でかなり損してる。
カルト集団が完全に洗脳されておらず、個性や迷いを残しているのがうまい。ストーリーが円滑に進むし、人間らしさが反撃を躊躇させる。のちに彼らは、悲壮な決意をもって使命を果たしていたことがわかる。大いに納得できる。ただ狂っているより、ずっと怖い。地下で追い詰められた乗客たちが、地上への脱出をためらうのもおもしろい。地上は人が多い。果たして地上は安全なのか? 危険と思っていた場所が、相対的に安全になるのは驚きだった。
惜しむらくは、もう1つの視点がわかりにくいこと。キーワードは「麦角菌」。
- カレンはマフィンを食べていた。
- カレンはポケベルが鳴る前から繰り返し幻覚を見ていた。
- 同じくマフィンを食べたフランキーも怪物を見た。
- 逃亡中にもカレンは怪物を見ている。
- 最後の怪物を見たのはカレンだけ。
ひょっとしたら、最後に現れたのは救助隊かもしれない。そう考えると、あのラストも納得できる。おもしろい解釈だが、伏線が細かすぎて気づかない人も多いだろう。もったいない。