ピノキオ Pinocchio

1940年 外国映画 5ツ星 人形 @ディズニー @ディズニー長編アニメ

怖くて、楽しくて、怖い

良心を知るコオロギ、詐欺師のキツネ、しゃべれないけど人間同様に暮らす飼い猫、「そんなんじゃ飯は食えねぇぞ」と人形を脅す団長、子どもをロバに変えて輸出する業者、そして巨大クジラ……。こんな世界観をよく思いつくなぁ。先の展開がまったく読めず、いちいち驚き、ワクワクした。ピノキオが純粋無垢なので、よけいハラハラする。おもしろかった。

それにつけても、ロバになった子どもたちはどうなったんだろう? ピノキオが興味を失った事象はまったく描かれない。そのシュールさがたまらない。ゼペット爺さんもどんだけ正常なんだか。ピノキオが実在するのかも怪しい。夢と希望にあふれた冒険活劇なんだけど、精神異常者の夢と希望があふれているような怖さもある。そのバランスが『ピノキオ』を傑作たらしめているのだろう。

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