5ツ星

ホラー、かくあるべし

霧が立ち込め、怪物がやってくる。人々は非現実なことから目を背けようとするが、やがて向き合わざるを得なくなる。導入はサバイバルホラーの定石どおり。モンスターの造形も、よく見れば目新しさはない。しかしここから新境地に突入する。

ミセス・カーモディの変化は急激だが、怖いほど説得力がある。暴力で排除するしかないが、文明社会の常識が邪魔をする。溜まりに溜まったストレスが、2発目の銃弾として結実する。痛快だが、すぐ次の指導者が出てくるだろう。わずか数日で人間は中世まで巻き戻ってしまった。

ラストも鮮烈。あと数分待てばと思うより、最初に飛び出した女性が助かったことにショックを受けた。つまり主人公もすぐ飛び出せば、妻を救えたかもしれないのだ。理性的な選択をしたつもりでも、神ならぬ身に運命を見通せるはずもない。知恵と勇気について考えさせる結末だった。

スーパーに残った人々はどうなるだろう? ひょっとしたら救助を拒むかもしれない。生贄を捧げた彼らに安息はない。それは主人公も同じか。

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