レビュー  1972年08月01日  に発表された 

荒野の七人 真昼の決闘
The Magnificent Seven Ride!

3ツ星

負け犬たちの戦い

あらすじ

クリスは非常な保安官。いまは老いて危険な任務から遠ざかろうとしている。
ある日、妻アリラが情けをかけて釈放された青年シェリーが、不良仲間のアラン兄弟と銀行を襲撃。クリスは撃たれ、アリラはさらわれてしまう。クリスが追いかけると、アリラは陵辱され、ボロ雑巾のように捨てられていた。クリスはアラン兄弟を見つけ、容赦なく射殺。さらにシェリーを追う。

その後、旧友ジムがシェリーと相打ちになる。ジムはファン・デ・トロ率いる山賊団と戦う途中だった。クリスはジムの遺志により、彼が守ろうとしたマグダレーナ村に向かった。そこは男は殺され、女は陵辱され教会に押し込められていた。クリスは女子供だけになった村を守るため、かつて自分が捕まえた無法者たち5名を仮釈放させ、自由と引き換えに戦わせる。
クリスについてきた伝記作家ノアを含めた7人だけで、村を守ることができるか?

『七人の侍』(1954)をリメイクして大ヒットした『荒野の七人』(1960)シリーズの4作目だが、前3作とは連続しない独立した作品となっている。リー・バン・クリーフが演じる3代目クリスの、「怒らせると怖い」雰囲気がたまらない。自分が刑務所に送り込んだ無法者に自分を守らせるという発想もダイナミック。ずっと危険を避けていたので痛快だった。

最初見たときは前半パートがだるかった。シェリーは胸糞悪いので、存在ごとカットしてほしかった。後半パートはおもしろいが、時間が足りない。配分を間違っていると思った。

しかしよくよく考えると、これは負け犬たちの戦いなんだよね。
クリスは人生の成功者だったが、愛妻を守れなかった。しかも殺したのは札付きの大悪党ではなく、糞ガキである。復讐して満たされるものはない(しかも復讐の機会を逃す)。旧友ジムも村を守れなかった。無法者たちも人生に失敗している。村の女は全員レイプ被害者。もはや守るべき純潔(処女)はないが、生命と未来のために戦う。戦うしかない。すべては勝利の向こうにある。
レイプされた女たちと、服役中だった無法者たち。たがいにきれいな身体じゃないが、それゆえ、まごころがしみる。悲壮な世界観だ。

リー・バン・クリーフがもう少しダサかったら、だいぶイメージが変わったかもしれない。『昼下がりの決斗』(1962)のジョエル・マクリーみたいに。とはいえリー・バン・クリーフの容赦ない切れ味も捨てがたい。むむむ。

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荒野の七人 真昼の決闘