空の大怪獣ラドン Rodan The Flying Monster
1956年 特撮 5ツ星 怪獣暴帝の末期に涙する
盛り上げ方がメチャクチャうまい。「空の大怪獣」なのに、なぜ炭坑が? と思っていたから、メガヌロンが出現したときは腰を抜かした。1匹でも人間の手に負えないメガヌロンが大量にいて、しかもそれはラドンの餌だった! ラドン、でけぇぇぇぇぇーーーーーッ!
しかもラドンは強い。呆れるほど強い。叩き落とされる西海橋。吹き飛ばされる博多。しかもラドンは2体いる。こりゃ、人類に勝ち目はないな。オキシジェン・デストロイヤーのような秘密兵器が出てくるのかと思ったが......。
あのラストは偶然の産物と言われているが、偶然をチャンスに変えたセンスは素晴らしい。ラドンに人間的な悪を投影しなかったことや、うんざりするほど長い砲撃シーン、そして連れ添うように力尽きる姿が、悲壮感を盛り上げる。暴虐のラドンを打ち破ったのに、この哀感はなんだ? 特撮史上に残る名場面である。
ゴジラとは異なる魅力を放ったラドン。傑作だった。
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