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[レビュー2009年05月02日に発表された 

腐女子彼女

How To Date An Otaku Girl

現実と向き合ってない

本作で描かれる「腐女子」は、私の知っているそれとだいぶちがう。よく知らない人が想像で描いたような、よく知らない人が演技しているような、浮ついた印象を受ける。オタクや腐女子を脳天気な馬鹿として描く姿勢には共感できない。そういう馬鹿もいるだろうが、そういう馬鹿は恋や人生に悩んだりしない。まぁ、「腐女子」なんてのは恋の障害をあらわす記号でしかないが、そこをリアルに描かないなら、本作を作った意義はないだろう。

しかし白崎ヨリコ(松本若菜)ほど美人で、頭がよくて、社会的信用があって、友だちも多いなら、1つや2つの奇癖があっても障害にならないだろう。仕事と趣味の切り替えもできているようだしね。職場で腐女子趣味をカミングアウトしても、むしろ周囲から好感を持たれてしまいそうだ。腐女子趣味がぜんぜん致命的じゃない。これもラブストーリーの緊張感を阻害している。

ラストも気に入らない。諏訪ヒナタ(大東俊介)は彼女のために、日本を捨てるべきだ。彼女に養ってもらえばいい。異国で戦う彼女を支える存在になれば、互いにとってベストな関係が築けるだろう。私の知り合いにも稼げる腐女子と専業主夫の旦那という夫婦がいる。いまの時代、ぜんぜんアリだろう。

腐女子という新しい文化を取り入れながら、ストーリーは旧態依然としている。考えの古い映画だった。


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