ゴジラ(25) ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃 Godzilla, Mothra and King Ghidorah: Giant Monsters All-Out Attack
2001年 特撮 4ツ星 怪獣ちぐはぐだが、おもしろかった
第3期、3作目のゴジラ映画はまぁ、おもしろかった。強引すぎる設定、陳腐すぎるドラマは毎度のことだが、名だたる怪獣たちを思いっきり暴れさせたのはよかった。怪獣の被害も大きく、予兆があるのは楽しい。B級ホラー映画で、モンスターに惨殺されるフラグが立ちまくり、その期待感を裏切らずに惨殺されるカタルシスに似ている。痛快だった。
一方で不満もある。
第1に、ゴジラに戦死者の怨念を背負わせる設定は不愉快だった。その設定に見合うだけの演出がないのは許せない。口頭説明で済ませるには重すぎる。
第2に、護国聖獣の面々が豪華すぎた。初期案ではバラゴン、アンギラス、バランだったところを、営業上の理由で変更されたらしい。集客効果のために、各怪獣のイメージを乱してしまった罪は重い。制作者たちも無念だったろう。
第3に、対決の構図があいまいだ。ゴジラの怨みも、護国聖獣の正義もわからないから、単なる怪獣バトルになっている。ここまでお膳立てして、なんとなく戦うなんて不自然だろう。
おまけにゴジラを倒したのは人間だったことに驚愕する。護国聖獣はなんのために出てきたのか? 宇崎竜童がカッコイイから許すけど、本当は駄目なんだぜ。
もろもろ不満はあるが、特撮のパワーで押し切った。過去作品からの引用も小気味よい。久々におもしろいゴジラ映画だった。
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