[Edit]
[レビュー2009年07月04日に発表された 

蟹工船

Kanikosen

現代に復活させた意義を問いたい

冒頭に全員で首を吊るシーンをもってきたのは正解。そのシュールさが、ここが船内に見えないことや、不可解な他船との競争といった疑問符を吹き飛ばしてくれる。これはリアリティを問う映画じゃない。
この映画の滑稽さを笑える人は幸せだ。原作者である小林多喜二は、官憲の拷問によって殺されているのだから。

欲を言えば、もう少していねいに作ってほしかった。逃げ場のない職場としての「蟹工船」はいいが、そこで働く「労働者たち」に知恵(試行錯誤)がないため、観客はこの物語を「過去の話」「特殊な状況下の出来事」と認識するかもしれない。それでは、蟹工船を現代に復活させた意義がない。

どのみちオリジナルから逸脱するのなら、もっと大胆にイメージを膨らませてほしかった。

Share