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[レビュー2009年05月19日に発表された 

沈黙の鎮魂歌

DRIVEN TO KILL

ミステリーやドラマがあると思ったか?

セガールも58歳になり、身体を張ったアクションに説得力がなくなった。なので本作は、「昔はブイブイ言わせたが、今は角が取れて回顧録っぽいものを書いちゃう初老の男」を演じている。と見せかけて、肩がぶつかったチンピラを半殺にしちゃう凶暴さは健在。老いても衰えず。いい立ち位置だ。

別れた女房が殺され、結婚をひかえた愛娘が重傷を負った。セガールの怒りゲージはいきなりMAXになるが、だれを倒せばいいかわからない。かつてセガールと敵対したマフィアのボス・ミカエルか? その息子であり、娘の婚約者のステファンか? ミカエルと諍いを起こしているグループか? はたまた別れた女房の再婚相手か? セガールはステファンを連れまわし、片っ端から容疑者を痛めつけていく。知性より腕力で推理する展開は新鮮だ。しかし中盤でいきなり犯人がわかって、いつものセガール映画にもどってしまう。

「愛する者を殺されたら復讐する。それが男だ!」
セガールはステファンをけしかける。しかし復讐すべき相手は、ステファンの父親・ミカエルだった。セガールはミカエルを殺し、ステファンの復讐を許容するか? それともステファンに親殺しをやらせるのか? ドラマチックな展開を期待したが、セガールはあっさり自分で片付けてしまった。いやぁ、セガールはすごい。

いつもより殴ったり刺したりするシーンが長く、いつもより大量の血が流れたが、全体的にはいつものセガール映画だった。それはそうとセガールはどうやってカップの中の伝票刺しを特定していたんだろう? 映画のラストでタネが明かされると思っていたが、そんなことはなかった。本当に、もう、これだからセガール映画はやめられない。

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