デッドライジング (Xbox360) DEAD RISING

2006年 ゲーム 5ツ星 モンスター:ゾンビ @CAPCOM

「まるでアンタらアメリカ人、そのものじゃないか」

あらすじ(結末まで)

アメリカの地方都市ウィラメッテが、突如軍隊によって封鎖された。スキャンダルの匂いを感じとったフリージャーナリストのフランク・ウェストは、ヘリをチャーターして単身、ウィラメッテに侵入する。そこはゾンビと化した住民があふれる地獄だった。

フランクは生存者が籠城するショッピングモールに飛び降りる。迎えのヘリが来るのは72時間後。それまでに特ダネを掴んでみせる。しかしバリケードが突破され、モール内もゾンビが押し寄せる。フランクは生存者を救出しながら取材することに。また精神異常者(サイコパス)やカルト教団がフランクの行く手を阻んだ。

[ネタバレ]

アメリカ政府は低コストで飼育できる食用牛を研究していたが、副産物として生物をゾンビ化させる寄生虫を作ってしまった。それが漏れて、中南米の某国にある「サンタ・カベザ」にゾンビが発生。アメリカは軍隊を派遣して、町を滅ぼしていた。その生き残りであるカリートは、復讐のためウィラメッテでアウトブレイクを起こしたのだ。

カリートはさらに寄生虫を仕込んだ子ども50人を養子縁組して、アメリカ全土に送り込んでいた。これが事実なら、時限爆弾のようにアウトブレイクが起こる。フランクは外界に危機を伝えようとするが、アメリカ政府と軍隊によって阻まれる。フランク自身も感染し、ゾンビの大群の中に取り残され、途方に暮れる。

友人に勧められてプレイ。はじめは魅力がわからず、かったるいゲームだなぁと思ったが、どんなゲームかわかると夢中になった。
倒すべきはゾンビではなく、狂ったアメリカ人だった。店長、肉屋、カメラ小僧......。みんな、悲しくなるほど個性的。彼らはアウトブレイクによって狂ったのではなく、もとからそうだったのだろう。恐るべき、アメリカ社会!

ストーリーも秀逸だ。アメリカ人の胃袋を満たすための計画によって、アメリカ人が食べられる。なんという皮肉。無辜の住民が犠牲になるのは悲劇だが、無自覚に資源を搾取し、浪費してきたツケと言えなくもない。テロを認めることはできないが、民主主義の国がやったことの責任は国民に帰してしまうのか。
人間爆弾計画も恐ろしい。アメリカ人の善意をうまく利用している。コミカルなアクションゲームと思っていたが、しっかしSFホラーになっている。

フランク・ウェストは強いが、ゾンビを何千人屠っても状況は好転しない。最大の狂気であるアメリカ政府や軍には勝てないからだ。無敵なのに無力。はげしい徒労感に苛まれるが、ゾンビパラダイスで憂さ晴らし。このゲームは楽しめば楽しむほど、駄目な人になるようだ。

AND YET HE COMPLAINED
THAT HIS BELLY WAS NOT FULL
それでもちっともおさまらぬ
あいつのおなかはむじんぞう

それからジェシーがかわいかった。露出はないが、むっちりボディ。うるんだ唇がすてき。なので最後はショックだった。このゲームには正義がない。それがリアルで、たまらない。



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