ティム・バートンのコープスブライド Tim Burton's Corpse Bride

2005年 外国映画 4ツ星 ファンタジー:童話 幽霊

マリッジブルーはかくも深い

『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス (1993)』から12年。ストップモーション・アニメーション撮影がこれほど進化するとは。風にたなびく布地やガラスをつたう水滴とか、どうやって撮影したんだろう?
感心するとともに、この撮影技術の先行きに不安をおぼえる。3Dアニメの進化は早いから、ストップモーション・アニメーション撮影の映画はこれが最後になるかもしれない。そして本作は、総決算にふさわしい品質だった。

さておき本編。政略結婚や死者の世界に幻惑されるが、本質的にはヴィクターが結婚を迷っているだけのストーリー。気弱で流されやすいが、だんだん結婚の意志を固めていく展開は小気味よい。また、死者の世界が地上より明るく賑やかなのも皮肉が効いている。人生は、頭で考えているより多彩で、予測不可能なのだろう。
一方で、エミリーのことが心配になる。まさか死者と結婚してエンディングとは思わないが、しかしエミリーにも幸福になってほしい。通常なら、ふらりと新たな相手が見つかるものだが、そうではないところがいいね。

おもしろかった。

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