レビュー  1992年08月07日  に発表された 

許されざる者
Unforgiven

4ツ星

殺しってのはそういうもんだ。

名作と聞いて、期待感をもって見たが、展開が遅くてだれた。イングリッシュ・ボブ(リチャード・ハリス)が殴られるだけで退場したあたりで、これはダメかもと思った。

クリント・イーストウッドの西部劇だから、正義が貫かれるだろう。復讐がテーマだが、被害は誇張され、ターゲットは小悪党でしかない。主人公はカネのため行動しているが、どっかで真相に気づいて、場をまとめてくれるはず。そう思っていた。

しかし復讐は果たされてしまう。お目当てのカネも手にいれ、万々歳のはずだが、釈然としない。キッドが視聴者の気持ちを代弁する。
「人を殺すのがいやになった。あんたとはちがう。」
無法者は無法者。望んでなっちゃいけないのだ。

相棒が惨殺されたと聞いて、マニーは復讐を決意する。ただ話を聞いて、酒を呑むだけで、怒りが伝わってくる。これを演技と言っていいのか。存在感に圧倒される。

自分の復讐は、代理の復讐ほど慎重じゃなかった。代理の復讐で死ぬわけにはいかなかったが、本気の復讐なら討ち死にも覚悟の上か? まず武器をもたぬ店主を射殺。死体を店頭に飾るなら、武装すべきだった。そして撃ってきたやつを殺す。正々堂々やるつもりも、真相を明らかにするつもりも、怒りを理解してもらうつもりもない。
人を殺せば、いずれはこうなる。
それは手を汚さなかったものたちも同じ。気をつけろ。こうなるな!

うまく説明できないが、心が震えた。
こりゃ名作だ。

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