フォーリング・ダウン Falling Down

1993年 外国映画 3ツ星 日常を描く 狂気 社会人

D-フェンス氏は語らなくていい

唐突にキレて、当たり散らす主人公。被害規模は大きくなり、大事件に発展する。めちゃくちゃだけど、おもしろい。しかしパターンが確立されると、被害規模の拡大ばかり求めるようになり、ややシラける。
怪獣のように町を破壊してほしいわけじゃない。D-フェンス氏の事情にも興味はない。後半の着地がうまくいってないように思う。

並行して描かれる捜査官の事情が、事件に関与しないのも不可解だ。みんなが我慢していることなら、捜査官がキレてもいい。D-フェンス氏本人が訴えるより、捜査官が代弁する方が説得力があった。D-フェンス氏ひとりがキレるだけじゃ、社会風刺にならない。D-フェンス氏の逆噴射が連鎖し、社会現象になることが恐ろしいのだ。

D-フェンス氏が町を破壊したところで、なにも解決しない。しかし彼を追い詰めた上層部の人たちに、さざ波のような影響を与えることができれば、少しは痛快になったかもしれない。

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