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[レビュー2010年04月24日に発表された 

失恋殺人

Lost Love Murder

スパイスが足りない

 妻の不貞を疑う夫、夫の視線を恐れる妻、夫婦を診療する歯科医、歯科医に依頼された探偵、探偵の妻──。構図はおもしろいけど、主人公(視点)がハッキリしない。原作にいない明智小五郎を出しておきながら、実際に活動するのは文代。「こういう調査は女の方がいい」と言うほど役に立っておらず、狂言回しとしても弱い。明智小五郎は出張中で、助手の小林(♀)が対応でよかったと思う。

 事件が起こって、ここから物語がはじまると思ったところで終了。意外にあっさり。ストーリーより、宮地真緒を魅せる映画だったのか。みや子はおどおどしてるのに妙に積極的で、どんどん事態を悪化させていく。「妖艶」というより、マゾヒズムを感じさせる。あるいは自滅衝動か。見方を変えれば、夫や歯科医は被害者と言える。この点を掘り下げてほしかった。

 それから山田キヌヲが演じる歯科医の助手もよかった。彼女も雇い主の情事を密告すれば職を失うことがわかっているのに、やってしまう破滅型だね。

(追記)
 原作小説を読んだ。短いが、切れがいい。これを長編映画にするのは、いささか無理があったか。

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