マイマイ新子と千年の魔法 Mai Mai Miracle

2009年 アニメ 2ツ星 タイムトラベル 日常を描く

だれに、なにを伝えたかったの?

昭和30年、麦畑が広がる防府の情景は素晴らしい。このころの子どもは土と水で遊んでいたんだね。むろん、いいことばかりじゃなくて、うんざりする側面もある。こうやって大人の階段を登っていくんだね。
それはいいのだが、主題がよくわからない。ラスト付近で子どもたちが合唱してるけど、なんか奇妙な印象がある。感動したいのに、感動できない。

物語は、貴伊子と姫が都から防府に来たところからはじまり、おじいちゃんを亡くした新子が防府を去るところで終わる。千年の思いは、人から人ではなく、その土地に住む人に継承されていくのか。それはなにか? よくわからない。
『となりのトトロ』では、継承されるものが見えた。いっしょに空を飛んだり、昼寝するヴィジュアルは説得力があった。その明瞭さが、本作にはない。

それはいいことなのか、悪いことなのか、それさえわからない。

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