僕の彼女はロボワイフ Maidroid Erika

2010年 日本映画 3ツ星 ロボット:自律型

ガイノイドものでは異色

いかにも軽そうなタイトルだが、描かれたドラマは陰鬱で、しかも未消化。
うだつの上がらない男が、拾ったガイノイドに売春させて金を稼ぐ。なんとも夢のない話だが、まちがってはいない。ロボットはロボット。道具に遠慮する方がおかしい。
ところが主人公は、見知らぬ男たちに貸したオナホールに自分が惚れてしまう。そして、彼女の反応がプログラムどおりであることを確認してから、結婚を決意した。これらは前段の行動と大きく矛盾する。
相手への印象が変わっていくのは当然だが、あまりに唐突だ。売春なんてさせるから、振り幅が大きくなりすぎた。また、プログラムに褒められることを喜ぶ神経も理解しがたい。彼はそれだけ褒められたことがなかったのか?
ラストもどう解釈すればいいのか。あれほど愛していた妻を捨てたのは、記憶を消されたから? なにかを悟ったから? 時間が戻ったから?

綾瀬はるか主演の『僕の彼女はサイボーグ』(2008)がキッカケだったのか。『ロボゲイシャ』(2009)、『AI高感度センサー搭載 メイドロイド』(2009)、『メイドロイド VS ホストロイド軍団』(2010)など、ガイノイドものが一気に増えた。その中で本作は、一風変わったSF路線を目指した形跡がある。もう少しがんばれば意欲作として評価されたかもしれない。

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